伊藤詩織さんの飲酒量に関する意見書について 2
1.被告飲酒量を否定する意見書の一部と飲酒量と酩酊度について
飲酒に関する藤宮龍也教授の意見書の一部概略は以下のとおりである。(小林章さんツイッターより)
また、血中アルコール濃度と酩酊度の表はこちら
アルコール健康医学会より
被告飲酒量をサントリーのサイトのものに入力した結果、意見書とほぼ同等の結果になった。以下サントリーのサイトの利用した判定を基準とする。
酔いの程度を判定してみましょう|DRINK SMART お酒の正しい付き合い方を考えよう|サントリー
2.意見書と現実の事例との検討
(1)一軒目の飲酒量で泥酔状態、約1時間で1593mlのアルコール飲料を飲むことが考え難いについて検討する。
具体例①ゆかりんチャンネル 45分間でビールジョッキ6杯飲酒(約1.8ℓ)
https://www.youtube.com/watch?v=36bi15v-8lA
判定表によれば「酩酊期(千鳥足、吐き気、嘔吐が起こる)」
酩酊しているようには見えず、表情、その後の飲酒量から考えるとほろ酔い程度だと言えよう。
具体例② ゆきこ酒 30分でビールジョッキ5杯、30分でワイン3~4杯飲酒(約2ℓ)意見書における被告主張の1時間の飲酒量、アルコール量をはるかに超える
https://www.youtube.com/watch?v=HJroJnl8AQ4
判定表によれば「泥酔期(まともに立てない)」
かなり酔っているように見えるが、まともに立てないほどではないだろう。酩酊初期あるいは酩酊期あたりと言えよう。
したがって、飲酒量と酩酊度が判定表、意見書の基準とは不一致であることが明らかになった。
また、両者とも1時間で約1.6ℓ以上のアルコール飲料の摂取は明らかであり、藤宮教授はどのような根拠で「考え難い」とお考えになっているのだろうか。
根拠を明らかにしてもらいたい。
(2)二軒目以降、ホテル入室時には泥酔から死の危険状態である可能性が高い(上記表においては昏睡状態に該当)について検討する。
具体例①ゆかりんチャンネル ジョッキ6杯飲酒後、二軒目でハイボール2杯、三軒目でビール0.8ℓ飲酒(意見書における被告主張の二軒合計の酒量とほぼ同等←超えるから訂正)
飲酒後ラーメンを食べて記憶がなくなるということもなく普通に帰宅している。
判定表によれば「泥酔期」(←昏睡期から訂正)
多少呂律がまわっていないところもみられるが、普通に飲食し、帰宅しているようだ。
泥酔状態では全くなく、酩酊状態と言えるだろう。
具体例③ブラック萌川 ビール、酎ハイなど5杯、ウイスキー(いいちこ)水割り18杯以上
https://www.youtube.com/watch?v=RFjtHwy591c
酒量、酒類が明らかではないが、仮定としてウイスキー水割り、あるいはグラスが
「いいちこ」であったことからいいちこスペシャルの水割りとする
少なく見積もってもアルコール量5mg/mℓと推測される
判定表によれば「昏睡期」(0.5%)となり死の危険があると判断される量だろう。
呂律があまり回っていないが、独力で歩けていることから、死の危険、昏睡状態では全くなく、泥酔状態までもいかず酩酊状態と言えるだろう。
(3)被告の主張する伊藤さんの飲酒量よりは少量だが、判定表と明らかに状態が異なる例。
具体例④美咲みさ 干物系オタク女子 飲酒時間は不明だがアルコール7杯およびワインボトル半分
https://www.youtube.com/watch?v=nulyDob0q_s
二軒目終了時ワインボトル半分とビール2杯、ジントニック3杯で判定表によれば「酩酊期」(かなり泥酔期より)
動画を見る限り「ほろ酔い期」あるいは「酩酊初期」にしか見えない。
3.結論
以上からわかるようにお酒の強い人にとっては、上記意見書や判定表の基準に飲酒量をあてはめても酩酊度が現実と全く合致しないことが明らかにわかる。
上記の動画はいずれも藤宮教授の飲酒量、経過時間から血中アルコール濃度を推定し、酩酊度(泥酔状態、昏睡状態)を一律に判定することの限界を示している。