伊藤詩織さんと検事6 午前5時の性暴力の描写そのものがフィクションであることを証明する
1 第一回検事取り調べの中で伊藤さんが山口さんを罵った場面について、BBと比較しながら考察する。
(1)検事取り調べ
伊藤 もうすごい汚い言葉で。
検事 うん、うん。で、それに対して相手、どんな感じだったの?反応みたいなのって。
伊藤 最初は謝ってました。
検事 んー。どういう感じで?
伊藤 ごめん。
検事 どういう、うん。
伊藤 ごめん。
検事 ごめんって。
伊藤 うん。で、そのまま私が、もうどうしてこんなことをするのか、あのー、仕事をこれから一緒にしようと思っていたのに。
検事 うん。
伊藤 こんなことをするのは信じられないし、しかも、あのー、避妊具を着けてなかったのも分かったので。
検事 うん。
伊藤 これから仕事をするのに何かあったらどうしてくれるのとか、その繰り返しを。どうしてそういうことをするんだっていうことを、すごい怒った言葉で言って。
検事 うん。
伊藤 そしたら、なだめるように、好きになっちゃったよ。とか。
検事 うん。
伊藤 早くワシントンに来てほしいとか、そういうことも言われて。で、そのときは後ろに、背に相手を向けて、あの、私は窓側に顔を向けていたんですけど。
検事 うん。
伊藤 押さえ付けられてる、まだ状態で。
検事 うん。
伊藤 少し、かなり言ってから向こうが結構ひるんだので、そこの力がちょっと、こう、弱くなった隙に、服を探そうと思って待っていたので。
検事 うん。うん。で、出るときはどんな状態で出てったのかしら、部屋からは。
(2)BBの中で罵倒をした場面での両者の言葉、表現を抜粋する
伊藤 What a fuck are you doing!
Why the fuck do you do this to me.(なんでこんなことするの)
I thiought we will be working fogether and after what you did to me, how do you think we can work together.(一緒に働く予定の人間にこんなことを、何のつもりなの)
「山口氏はなだめるような口調の日本語で」[山口さんの話し方を表す重要な表現]
山口 君のことが本当に好きになっちゃった。
早くワシントンに連れていきたい。君は合格だよ。
伊藤 それなら、これから一緒に仕事をしようという人間に、なぜこんなことをするのか。避妊もしないでもし妊娠したらどうするのか、病気になったらどうするのか。
山口 ごめんね
2 両者と比較検討すると見えてくるもの
(1)まず両者の違いとして特徴的なのは、検事取り調べ時には山口さんが「合格だよ」と言った部分がないことである。BBCでも「合格だよ」はかなり重要な発言としてとりあげているにもかかわらず、ないのが非常に不思議である。
(2)「仕事をこれから一緒にしようと思っていたのに」
ほぼ同じ内容で両方で主張している。この発言には気になる点がある。
プロデューサー内定を窺わせる事実はメールでも、山口さんと会った時の会話内容でも一切ない。また、伊藤さん本人も尋問で内定の事実はないと認めている。
内定を窺わせる事実がないのに「仕事をこれから一緒にしようと思っていた」と言ったというのは極めて不自然である。
そうすると、内定を窺わせる言葉は「合格だよ」だけということになる。
しかし、「合格だよ」は検事取り調べ時にはない。またBBでは「仕事をこれから一緒にしようと思っていたのに」のあとの発言となっている。
以上から考えると、検事取り調べ時、BBともに内定(合格)認識可能時点より前に「仕事をこれから一緒にしようと思っていた」と言ったことになってしまい、この発言を合理的に説明することは不可能である。
3 合格だよが意味するもの
(1)山口さんの主張によると、伊藤さんが午前2時頃何度も「不合格ですか?」と聞いてきたことを踏まえ、朝に「不合格ではないよ」と答えたと陳述書で述べている。
とすると、朝(午前5時頃)「合格(不合格ではない)」という話があったことは両者で一致していることになる。
一方で就職の合否に関連するような会話があるとすると、伊藤さんの準強姦の主張とは相いれなくなるのではないだろうか。(山口さんの主張によると、伊藤さんは午前2時頃何度も「不合格ですか」と尋ねている
そのように考えると、検事取り調べ時に「合格」の話がでてこないことが合理的に説明可能となる。合格の話は伊藤さんにとって都合が悪いのである。
(2)次の疑問は、なぜBBや裁判には「合格」の話がでてくるのかということになる。
「合格」を意味するような発言があったのは事実である。さらに4月14日のメールで「合格」の意味を尋ねている。とすると、「合格」の話しが一切ないのは不自然になる。(注 4月14日のメールがBBで省略されているのもこの問題が背後にあるものと推測される)
そこで、「合格」をどこかに挿入しなければならない。ただし、会話の中で直接的に就職内定を窺わせる意味での「合格」とすると準強姦と相いれない。
以上から、「合格」の意味を曖昧化させるために、強姦行為を止めた直後に山口さんが話したことにしたのではないだろうか。
改めて読み返すと、「合格だよ」が唐突で不自然だと気が付くだろう。
4 (1)もう一度両者を比べ、著書、検事取り調べ時共に真実を話している、検事取り調べ時は「合格だよ」を言い忘れたと仮定して、一番妥当な位置に挿入してみる。
伊藤 そしたら、なだめるように、好きになっちゃったよ。(①君は「合格だよ」) とか
検事 うん。
伊藤 早くワシントンに来てほしい(②君は「合格だよ」)とか、そういうことも言われて。で、そのときは後ろに、背に相手を向けて、あの、私は窓側に顔を向けていたんですけど。
検事 うん。
伊藤 押さえ付けられてる、まだ状態で。
検事 うん。
伊藤 少し、かなり言ってから向こうが結構ひるんだので、そこの力がちょっと、こう、弱くなった隙に、服を探そうと思って待っていたので。
(2)BBの記載内容から、検事取り調べ時で「合格だよ」を挿入できる場所は①あるいは②で異論はないだろう。
挿入された文章を改めて読み直して、アンダーライン部分に注目してみると、山口さんの行動と、発言にもの凄い矛盾が生じていることが理解できるだろう。
押さえ付けながら、なだめるように「好きになった」「合格だよ」「ワシントンに来てほしい」と話すのだろうか?しかも、その直後の伊藤さんの説明ではひるんだと書いている。
押さえ付けている人がひるんでいるのだろうか?
ひるんでいる人がなだめるように「好きになった」「合格だよ」と言えるのだろうか。
もし、これが事実だとすると山口さんは人格破綻者でなければ説明できない。
山口さんが人格的破綻者であることを示せない以上、このやり取りはフィクションだと考えるのが合理的だと言わざるを得ない。
5 検事秘密録音1から6から、伊藤さんが提出した検事秘密録音によって、午前5時の性暴力の描写そのものが。フィクションであることが証明されたものと解する。
(補講)
伊藤擁護者によくある話として、山口さんが極めて特徴的な人間だと妄想を働かせている場面が度々ある。
例えば①ゲロは事前に用意していた(その妄想が本当であるとすると、故意にタクシーにゲロをばら撒いたことになる)
②寿司店カウンターで事前に用意した薬物を周りの人に気づかれないように酒器に入れる(山口さんはマジシャンの想定なのでしょうか?)
今回もその一例とも言える。ひるんでいるのか、すごんでいるのか伊藤さんの話しだとよくわからなくなってしまうのである。