Black Box文庫化の罠〜読者は騙されるな
Black Boxが文庫化されたようだ。
とんでもない帯がついていた。
「ここに綴られているのは、被害者ではなくジャーナリストの真摯な言葉だ」
伊藤詩織氏側の裁判での主張を読んでみると…
第3準備書面【2021年3月18日付】(p29~)
第4 公表行為(3)について [2017年10月20発行 「Black Box]
1名誉棄損について
(1)省略
(2)公表行為(3)②について
ア 適示事実
(一部略)
しかし、ノートパソコンによる撮影行為は、事実として摘示されているのではなく、疑いが摘示されているものと考えるべきである。
この点、「疑い」の摘示か否かは、一般の読者の通常の注意と読み方を基準として、全体として、その表現行為に捉われることなく判断しなければならない。(東京高裁平成27年7月8日民事第12部判決)。また、「いかなる嫌疑が存在するかについて、一般読者が受ける印象も異なり、嫌疑が濃厚との印象を与えた場合には、被報道者の社会的評価は大きく損なわれるものであるから、この点について、一般読者がどのような印象を受けるかも重要である。」(東京地裁平成19年12月10日民事第30部判決)とする。
ところで、本件公表行為の特徴として、一方当事者による公表行為である点をあげられる。新聞や雑誌などの公表媒体では、その表現主体は第三者であるのに対し本件では本件不法行為の被害者という一方当事者である。一般読者は、本件公表行為を読む前に「一方当事者」であることを念頭に読むのが通常であり、通常の読者であれば、対立関係にある一方当事者から一方的に発信されたものとして表現行為を受け取り、事実を正確に伝えるものではないかもしれないとの留保を念頭に読み進めるものである(東京地裁平成21年7月28日第2051号3頁)。したがって、本件公表行為においても、一方当事者による事実を正確に伝えるものではないかもしれないとの留保があることも加味した上で、事実の摘示なのか「疑い」なのかを
考える必要がある。
(以下略)
伊藤詩織氏はジャーナリストを何だと考えているのだろうか?