面接しなければ情報提供しないという嘘 

1.前章では主にSARC東京に行けなかった理由に不可解な点があることについての考察だったが、一番の問題はその電話の相談内容とその回答についてである。

 

2.伊藤さんの著書によると「どこの病院に行って何の検査をすればいいのかを教えてほしいと言ったが、話を直接聞いてからでないと、情報提供はできないと言われた。」

とのことである。

ラジオインタビューにおいても同様の事を話している。

 

以上の事実は本当だろうか。筆者は色々調べた結果、支援員が情報提供するためには面接が必要と言ったということは嘘であると考えている。

 

その理由について注目すべき資料がある


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上記資料は宮城県のレイプセンター先行事例の一例としてSARC東京が紹介された支援内容である。

 

それによると、電話相談が「全国対象」、面接相談「希望により対応」

となっている。

つまり電話相談が原則で、面接は「希望制」であるということがわかる。

伊藤さんの言っている内容とはむしろ真逆なのである。

 

そして、具体的支援内容の記載についても「遠方者の場合は、居住地近隣の産婦人科を紹介」となっている。

つまり面接ができない場所からの電話であっても情報提供をしているのである。

 

以上より伊藤さんの言う「面接なければ情報提供しない」というのは嘘であると考える。

 

3.さらに一歩進めると、筆者は伊藤さんはそもそもSARC東京に電話すらしていないのではと推測している。

その理由は電話したとされる日以降の行動が彼女の主張と整合しないからである。

 

①何の検査をすればいいか知りたくて連絡した、にもかかわらず

実際に受診したのは膝の怪我に関する整形外科であること。そこでは性被害にあったことは隠して受診している。そもそも、膝の怪我が性行為に関するものであったかについては相当に疑念があり、裁判でも性被害と膝の怪我についてその因果性を認めなかった。

 

②警察に届けたのが4月9日にも関わらずその日に病院にいっていないこと。

 

本来強姦罪や、強姦致傷罪を主張するのであれば当然あるはずの被害申告直近の警察同行による病院受診の経緯がないのはなぜか。

それは伊藤さんが自ら病院に行くのを避けたからではないかと推測される。性急に電話をし、どんな検査をどこの病院で受けたらよいか知るためにSARC東京に連絡をしたという事と整合しない。

民事訴訟においても4月9日ないし、11日付けの診断書等医療記録は存在していない。

 

③実際に産婦人科に行ったのは4月17日である。その病院はSARC東京に隣接する提携病院である。

電話をした2週間後に受診という不自然さを隠すためなのであろうか、この事実はあまり明らかにされていない。

また、判決の翌日の外国人記者クラブでの会見での「体を診てもらうために行った病院」とはこの病院のことである。

その会見でも多数の嘘がある会見であったが、この病院の話でもいくつかの嘘がある。

まず性行為後1週間後に病院に行ったと言っていたが、実際には13日後である。

また、「(上半身を身振り手振りで上下させながら)体を診てもらうため」と言っていたが、実際は膣の痛みがあったのでその部分の診察、および性感染症の検査のために行ったものである。著書に書かれているようなあざや乳首の出血の検査のためではない。

 

④レイプセンターに電話をしたという事自体が本人が強姦されたという事実認識をしていたという証拠の一つになるはずだが、裁判資料を確認する限りにおいて証拠提出されていない。

先ほどの宮城県の資料において、支援員が聞き取った情報はケースシートに記載すると書かれている。

とすると、伊藤さんがSARC東京に電話をしていたのであれば、当該ケースシートが存在し、当然重要証拠の1つとして提出されるであろう。しかしそのような証拠は提出されていないのである。

 

4.以上より明らかになったのはSARC東京についての話は不可解な事だらけであるということである。

センター支援員が「面接しなければ、情報提供しない」というのは虚偽であると考えている。

このような間違った情報を流布することは、現場で一生懸命支援している人達を侮辱するものであるとともに、真の被害者が電話することを躊躇ってしまう可能性すらある悪質な主張である。

 

電話をしたかどうかについても疑義がある。電話をしていなかったからこそ、上記のような間違った、実際と異なる認識をしていたと考えられる。

 

自己の正当性を主張するために嘘の主張や、性被害者にとってマイナスの情報を流布することは決して許されるものではない。