伊藤詩織さんはいつ避妊成功したことを知ったのか 3 江戸川区産婦人科編

伊藤詩織さんは江戸川区にある産婦人科に4月17日、そしてその時受けた検査結果を聞くためにもう一度受診している(著書より)

 

その産婦人科受診の前後に送ったメールの内容はこうだ

 

「冷静にお話~(中略)避妊もせずに行為に及び、それ以降私は妊娠したらどうしようという不安の中にいます(以下略)」(4月18日22時44分 産婦人科受診翌日)

 

「まだ生理が来ていないので不安で仕方がありません。寝ても覚めてもこのことで頭がいっぱいです。(以下略)」(4月24日11時48分 産婦人科再診前後)

 

また、著書には上記4月18日のメールの直後にこのような記載もある。

モーニングアフターピルは事件から数時間後に処方してもらってはいたものの、想定していた月経の日を大幅に過ぎていたのだ。ピルは100%妊娠を防げるものではない」(この記載はのちに説明するとおり虚偽である)

 

江戸川区産婦人科はいつ避妊成功と考えていたのか

 

診断書によれば、「2015年4月4日緊急避妊ピルを内服され4月9日~3日間出血があったとのことで、妊娠検査は行わず。」とのことである。

 

この記載と、前章での避妊成功の説明からは以下のことがわかる。

この出血は「消退出血」であり避妊に成功しているということ。

避妊に成功していることから妊娠検査は不要であると判断したこと。

 

以上に対してこの時点では避妊成功はいまだ確かではない、性行為後3週間後の妊娠検査薬についての検査で確定という考え方から異論もあろう。

 

それでは、江戸川区産婦人科医師が行為後3週間後の妊娠検査薬で避妊が確定すると考えていたかどうかについて検証する。

 

まず、一般的に説明されている避妊成功のサイン「アフターピル内服後の消退出血」

と異なる見解がある根拠は何か、そのポイントとなる以下の記載がある。

 

都立大レディースクリニック

緊急避妊について|診療案内|目黒区の産科、婦人科 都立大レディースクリニック

 

上記リンクのポイントは「消退出血と他の出血との鑑別が(一般的には)つかない」ことにあるようだ。

とすれば、産婦人科を受診し出血を不正出血、あるいは妊娠初期の出血ではないと判別した場合には、「出血」を「消退出血」と判断し、避妊成功したと判断することができる。

仮に、江戸川区産婦人科において、4月9日の出血を不正出血や妊娠初期の出血であったと判断したのであれば、診断書に記載があるはずであり、そのような記載がないことは、江戸川区産婦人科医が「消退出血」と判断したことの根拠となると考えられる。

 

さらに、不眠のため「デパス」を17日分処方されていることも医師が妊娠していないと判断した根拠になりうる。

なぜなら、デパスは妊娠初期の人に投与する場合は慎重に投与しなければならない薬であり、(メリットとデメリットを比較してメリットが上回るときのみ投与可能)、仮にメリットが上回ると仮定したとしても再診予定ありの患者に対して17日分投与するということは慎重さに欠けると考えられ、妊娠可能性のある人に17日分の処方をするというのは疑問だからである。

 

デパス添付文書


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また、診断書の記載内容からも3週間後の妊娠検査薬による検査を避妊成功のサインとみなしていないと推測される。

 

 なぜなら仮に江戸川区産婦人科医が「3週間後の妊娠判定薬による検査」を避妊成功のサインと考えているのであれば、「行為後3週間未満であるので妊娠検査による判定は行わず」あるいは「行えず」と記載するはずだからである。

 

「~出血があったとのことで、妊娠検査は行わず」との記載は妊娠検査を行わないのは消退出血(避妊成功)を理由としていると考えるのが自然である。

 

つまり、江戸川区産婦人科医師の考えは「行えず(消極的)」なのではなく「行わず(積極的)」なのである。

 

 

さらにそもそも論であるが、伊藤さんが江戸川区産婦人科を受診した目的は何だっただろうか。

 

診断書によると「月経3月19日~5日間、4月3日~4日にかけて性被害にあった。その時の痛みが強かったので、婦人科的診察を希望され(以下略)」

つまり、主訴は性被害時の痛みについてであり、生理の遅れや、妊娠の可否についてはそもそも訴えていないのである。

 

さらにBB読者は驚かれるだろう。それは最終月経の初日が3月19日だったことである。

すなわち、4月17日あるいは18日時点では生理の遅れは問題とならないのである。この時点においてどのような生理周期だとしても少なくとも「大幅に」生理が遅れていることはないのが客観的事実である。つまり著書の記載は虚偽なのである。

 

実際の診察では問診に月経日や(消退)出血を書き、産婦人科医から「妊娠はしていない。」と言われた可能性が高い。

 

妊娠や生理についての不安などの申告がないということは、原宿の産婦人科で既に避妊成功のサインについて消退出血が避妊成功のサインである等の説明されていると理解可能であり、そのことを前提として江戸川区産婦人科では対応したものと考えられる。

 

結論

 伊藤詩織さんは4月17日に江戸川区産婦人科にて妊娠はほぼないことを確認しており、妊娠していないことを認識していた可能性が高い。

 

次章では4月24日~5月10日にかけて何度も主張されている「生理が来ていない」について、消退出血とその後の生理について考察していきたい。